骨造成

Implant Bone Augmentation

歯科コラム

骨が少ない方でもインプラントはできる?骨造成の方法・費用・期間を歯科医師が解説

骨が少ない方でもインプラントはできる?骨造成の方法・費用・期間を歯科医師が解説

「レントゲンで骨が少ないと言われた」「他院でインプラントを断られた」というご相談は、当院に日々寄せられます。加齢や歯周病、入れ歯を長く使ってきたことなどが原因で顎の骨が痩せてしまうと、インプラントを埋め込む土台が足りず、治療そのものを諦めるよう案内されるケースが少なくありません。

しかし、骨が少ないという理由だけでインプラント治療を諦める必要はありません。「骨造成(こつぞうせい)」という骨を増やす技術を組み合わせることで、これまで治療が難しいとされてきた症例にも対応できる可能性があります。

本記事では、赤坂ヴィーナスデンタルクリニック院長・岩城賢珠が、骨が少なくなる原因から骨造成の種類・費用・リスク、そして骨造成を行わずに済む選択肢まで、専門的な内容をわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 顎の骨が少なくなる原因とメカニズム
  • GBR・サイナスリフト・ソケットリフトの違いと費用相場
  • 骨造成をせずに済む「オールオン4」という選択肢
  • 骨造成のリスクと、信頼できる歯科医院の見極め方

なぜ「骨が少ない」と診断されるのか

歯を失った部分の顎の骨は、噛む刺激が伝わらなくなることで少しずつ吸収され、痩せていきます。特に以下のようなケースでは骨が大きく失われやすくなります。

  • 歯周病を長く放置していた場合
    歯を支える骨(歯槽骨)が炎症によって溶かされ、抜歯後にはすでに骨が大きく不足していることがあります。
  • 入れ歯を長期間使用していた場合
    入れ歯は歯根がないため骨に十分な刺激が伝わらず、年数とともに骨吸収が進行します。
  • 抜歯後に長期間放置していた場合
    歯を失ってから半年〜1年ほどで骨吸収は急速に進むといわれています。
  • 上顎の奥歯部分
    上顎洞(副鼻腔の一部)が近接しているため、もともと骨の厚みが確保しにくい部位です。

当院では術前に歯科用CTで骨の幅・高さ・密度を三次元的に解析し、インプラントが可能かどうか、骨造成が必要かどうかを精密に診断したうえでご説明しています。

骨造成の3つの主な方法と違い

骨が不足している場合に骨を増やす「骨造成」には、主に3つの術式があります。骨が不足している部位・量によって適切な方法は異なります。

GBR法

GBR(骨誘導再生法)

サイナスリフト

サイナスリフト

ソケットリフト

ソケットリフト

GBR(骨誘導再生法)

骨の幅や高さが足りない場合に、メンブレンと呼ばれる特殊な膜と骨補填材を用いて骨の再生を促す方法です。上顎・下顎どちらにも適応でき、骨の外側に新しい骨を作る術式です。治癒までにはおよそ6〜10ヶ月を要します。

サイナスリフト(上顎洞挙上術)

上顎の奥歯部分で骨の厚みが大きく不足している場合に行う方法です。歯茎の側面から上顎洞粘膜を持ち上げ、骨補填材を注入することで骨の厚みを確保します。一度に広範囲の骨造成が可能なため、複数本のインプラントを同時に検討する方に適しています。

ソケットリフト

上顎の骨がわずかに不足している場合に、インプラントを埋め込む穴から骨補填材を入れて骨の厚みを増やす方法です。サイナスリフトに比べて傷口が小さく、体への負担が少ないのが特徴ですが、骨の幅がある程度残っている場合に限られます。

術式主な適応治癒期間の目安当院の費用目安
GBR骨の幅・高さ不足(上下顎)6〜10ヶ月110,000円〜
サイナスリフト上顎奥歯の骨の厚み不足(広範囲)約6ヶ月330,000円(片顎)
ソケットリフト上顎奥歯の軽度な骨不足約4ヶ月220,000円

※費用は税込表示です。適応となる術式は骨の状態によって異なるため、CT診断の上でご案内いたします。

骨造成の「成功率」を左右する、見えない技術の差

骨造成は、同じ術式名であっても歯科医師の技術と経験によって結果に差が出やすい治療です。当院院長は、骨造成の精度を高めるために以下のような専門的なトレーニングを積んできました。

メンブレン(膜)選定へのこだわり

院長はゴアテックス社主催のGTR再生医療コースを修了しており、吸収性・非吸収性それぞれのメンブレンの特性を熟知した上で、症例ごとに適切な膜を選定しています。メンブレンの選定・設置精度は、骨がきちんと再生されるかどうかを左右する重要な要素です。

低侵襲を意識したサイナスリフトの技術

サイナスリフトで最も注意すべきは、上顎洞の粘膜(シュナイダー膜)を傷つけないことです。院長はピエゾエレクトリック(超音波)サージェリーのコースを修了しており、超音波の振動で骨のみを削る低侵襲な処置により、粘膜損傷のリスクを抑える施術を行っています。

CGF(自己血濃縮血小板)による治癒促進

ご自身の血液から抽出した成長因子の塊であるCGF(Concentrated Growth Factor)を骨造成部位に併用することで、傷の治りや骨の再生を促す治療も行っています。薬剤ではなくご自身の血液由来の成分のため、拒否反応のリスクが低い点も特徴です。

院長 岩城賢珠のインプラント関連の主な研鑽歴(一部抜粋)

  • 国際インプラント学会(ICOI)インプラント指導医
  • ゴアテックス社 GTR再生医療コース修了
  • ピエゾエレクトリック・サージェリーコース修了
  • ブカレスト大学インプラント科修了
  • ハーバード大学 Fourth Ivy League Esthetics and Implant Course修了
  • ニューヨーク大学インプラント&エステティックCE Course修了
  • 南カリフォルニア大学(USC)・UCLA・テンプル大学・ペンシルベニア大学・ハワイ大学 各CEコース修了
  • ポルトガル・リスボンにて「All-on-4」インプラントコース参加

骨造成をせずに済む選択肢「オールオン4」

総入れ歯の方や多くの歯を失った方の場合、骨造成をほとんど行わずにインプラント治療ができる「オールオン4」という方法もあります。少ない本数(最小4本)のインプラントを、骨がしっかり残っている部分を選んで斜めに埋入することで、大掛かりな骨造成を避けながら片顎全体の歯を支えることができます。

手術当日に仮歯が入り、食事ができる点も大きな特徴です。骨の状態によっては6〜8本のインプラントが必要になる場合もありますが、骨移植を伴う従来の方法に比べて治療期間・身体的負担を抑えられるケースが多くあります。

なお、上顎の骨が極端に少なく、オールオン4でも対応が難しい重度の症例に対しては、頬骨を利用する「ザイゴマインプラント」という高度な術式が用いられることもあります。適応の可否は骨の状態によって大きく異なるため、まずはCT診断による正確な評価が必要です。

骨造成のリスク・デメリット

骨造成は多くの症例に有効な治療ですが、外科処置である以上リスクもあります。信頼できる歯科医院ほど、こうした点を事前にきちんと説明してくれます。

【リスク・副作用】

  • 公的健康保険の適用外の自費診療(自由診療)です
  • 通常のインプラント治療よりも治療期間が長くなります
  • 外科処置に伴う痛み・腫れ・出血、まれに感染などの合併症が起こる可能性があります
  • 移植した骨補填材が生着しない、または想定どおりに骨が再生されない可能性があります
  • サイナスリフトでは上顎洞粘膜の損傷等のリスクがあります
  • 喫煙・糖尿病など全身状態によっては、治癒に影響が出る場合があります

よくあるご質問

Q. 他院で「骨がないのでインプラントはできない」と言われました。相談できますか?

A. 骨が少ないと診断された場合でも、GBR・サイナスリフト・ソケットリフトなどの骨造成術により対応できるケースが多くございます。当院は難症例への対応実績も豊富ですので、まずは歯科用CTによる精密診断からご相談ください。

Q. 骨造成をすると必ずインプラントができるようになりますか?

A. 骨造成によって多くの症例でインプラントが可能になりますが、骨の状態や全身疾患の有無によっては、複数回の処置が必要な場合や、オールオン4など別の治療法をご提案する場合もあります。

Q. 骨造成の痛みや腫れはどの程度ですか?

A. 局所麻酔下で処置を行うため手術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。術後は個人差がありますが、腫れや違和感が数日続くことがあります。ご希望に応じて静脈内鎮静法を用いることも可能です。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 骨造成術(GBR)は110,000円、サイナスリフトは330,000円(片顎)、ソケットリフトは220,000円が目安です(いずれも税込)。インプラント埋入・上部構造の費用は別途必要です。詳しい費用はCT診断後にご案内いたします。

まとめ

顎の骨が少ないことは、インプラント治療を諦める理由にはなりません。GBR・サイナスリフト・ソケットリフトといった骨造成の技術や、骨造成をほとんど必要としないオールオン4など、症状に合わせた選択肢があります。

大切なのは、骨の状態を正確に診断できる設備と、骨造成に習熟した歯科医師のもとで治療を受けることです。他院で断られた経験がある方も、まずは赤坂ヴィーナスデンタルクリニックへご相談ください。

院長 岩城賢珠

この記事の監修者

赤坂ヴィーナスデンタルクリニック 院長 岩城 賢珠(Iwaki Kenju, D.D.S.)

国際インプラント学会(ICOI)インプラント指導医 / 日本口腔インプラント学会所属 / ブカレスト大学インプラント科修了 / 厚生労働省指定 臨床研修指導医

明海大学歯学部卒業後、ハーバード大学・ニューヨーク大学・南カリフォルニア大学・UCLA・テンプル大学・ペンシルベニア大学・ハワイ大学など米国の名門大学で審美歯科・インプラント・矯正歯科の高度なコースを多数修了。東京圏内でも数少ない認定を含む数々のインプラント関連資格を保有し、他院で対応が難しいとされた難症例にも数多く対応している。

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