「白くしたいけれど、どのくらいの白さが自分に合うのか分からない」——
シェードガイドの基礎から、歯列全体の色合いで悩んだときの考え方まで解説します。
実際の模型によるシェードの色合い比較
この記事でわかること
セラミック治療において歯の色を決める際、歯科医療の現場では「シェードガイド」と呼ばれる色見本を使用します。A1、A2、A3、B1、C2……といったアルファベットと数字の組み合わせで色調を分類し、患者様ご自身の歯や理想とする白さを客観的な基準で共有するためのツールです。
アルファベットは色みの系統を表し、A系は黄みがかった自然な色、B系は黄赤系、C系は灰色系、D系は赤灰系に分類されます。日本人の歯の多くはA系に属しており、なかでもA1・A2は自然な白さを求める方によく選ばれる色調です。
ただし、実際の治療では「A1かA2か」という一点だけを決めれば済むわけではありません。前歯・奥歯・歯ぐきとの境目など、口元全体でどう見えるかまで考えて初めて、色選びは完成します。
数字は明度(明るさ)を示しており、数字が小さいほど白く、大きいほど自然な濃さに近づきます。日本人の平均的な歯の色調はA3〜A3.5といわれており、A2はそれよりやや明るい自然な白さ、A1はさらに明るく「白くなった」と分かりやすいレベルの白さです。多くの方が治療のご相談に来られる際、この2色のあいだで迷われる理由がここにあります。
| シェード | 明るさの目安 | 全体の中での位置づけ |
|---|---|---|
| A1 | 明るい白 | 自然さを保ちながら、はっきりとした清潔感を出したい方向け |
| A2 | 自然な白 | 周囲の歯や口元全体との調和を優先したい方向け |
| A3〜A3.5 | 標準的な濃さ(日本人の平均) | 治療していない天然歯に近い色を保ちたい場合の基準 |
A1・A2はどちらも不自然に浮くことのない範囲に収まりますが、最終的な見え方は肌の色・唇の色・治療する本数や範囲によって変わります。色番号だけで判断せず、実際の口元でのシミュレーションを重ねることが大切です。
「前歯1本だけ治療する」のか「複数本まとめて治療する」のかによって、色選びの考え方は大きく変わります。
周囲に残る天然歯の色に合わせることが最優先になります。天然歯より明るいシェードを選ぶと、その歯だけが際立って見えてしまうため、A2前後で天然歯と自然になじませるケースが一般的です。
周囲の歯に色を合わせる制約が少なくなるため、A1のような明るめの色を選び、口元全体の印象を引き上げることも可能です。ホワイトニングと組み合わせて奥歯や下の歯列とのバランスを整える方もいらっしゃいます。
色合い全体で確認しておきたいポイント
・治療する歯とその両隣・対合歯(噛み合う歯)との色差
・上の歯列と下の歯列、全体としての統一感
・歯ぐきの色や質感との調和
・将来的にホワイトニングや他の治療を追加する可能性の有無
部分的な治療でも全体的な治療でも、「その1本・その数本だけ」で判断せず、口元全体を1つの完成形としてイメージしながら色を決めることが、仕上がりへの満足度を左右します。
色白の方はA1やB1のような明るい色が馴染みやすく、肌色がやや濃い方はA2やB2程度の落ち着いた色のほうが自然に見える傾向があります。歯だけを白くしても、顔全体のバランスが崩れては本末転倒です。
部分的な治療は「周囲となじむ色」、全体的な治療は「なりたい印象に近い色」というように、範囲によって優先順位を変えることで判断がしやすくなります。
明るい色ほど華やかな印象になりますが、周囲の歯や口元全体との調和を欠くと、かえって不自然さが際立ってしまいます。特に部分的な治療では、隣接歯との色合わせが仕上がりを大きく左右します。
色選びは、シェードガイドの記号だけで機械的に決められるものではありません。当院では、既定のシェード番号に加えて、お一人おひとりの肌のトーン・治療範囲・お口元全体のバランス・ご希望の印象を丁寧にヒアリングした上で色を決定しています。
院長 岩城賢珠による審美的アプローチ
ハーバード大学、NYU、USC、UCLAでの研修歴を持ち、ICOI インプラントディプロマットの資格を保有する院長が、機能面と審美面の両方を熟知した視点で色調・形態を設計します。
さらに、院内に技工士が常駐する自社ラボ体制により、シェード合わせの微調整や再製作にも迅速に対応。部分的な治療でも全体的な治療でも、細やかな色の違いまで再現できる体制を整えています。
セラミック治療全体の詳しい内容や症例につきましては、以下のページもあわせてご覧ください。